出願実務


出願から権利化までの流れはだいたいこんなかんじです。



出願書類の準備をします。
出願書類には願書、明細書、特許請求の範囲、要約書、図面が含まれます。
これらの書類の準備を含め、通常は専門家である代理人(弁理士)に依頼します。
代理人は手続の委任を受けたことを証明するため、出願人から受け取った委任状を特許庁へ提出します。
実務上、代理人が作成した委任状に対し、出願人が記名・押印を行います。

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出願書類には、それぞれ意義があります。
特許請求の範囲は特許になったときの権利範囲を特定するものであるため、ここをどのように記載するかが極めて重要です。経験とスキルが求められるため、弁理士の腕の見せどころになります。
請求項をただ広くするだけでは、審査において公知例と同じ(新規性なし)、あるいは公知例から容易(進歩性なし)と認定され、拒絶されてしまいます。このため、特許請求の範囲を構成する複数の請求項として、表現の広い請求項から限定的な請求項まで段階的に記載し(従属項を段階的に作成)、特許性のあたりをつけるなどします。
新規性が怪しいような広い請求項をあえて記載しておくことで、1回目の審査の結果が出るまで競業他社を牽制することもできます。企業によってはそのような特許戦略も有効に機能します。
明細書には発明の内容を実施形態(具体例)を交えて詳細に記載し、請求項の記載をサポートします。請求項の広さと明細書の内容とに乖離があると、審査で明細書のサポートが足らないと認定され、拒絶理由が通知されます。
なお、委任状の提出は出願と同時である必要はないため、その提出時期については代理人と調整をします。


明細書には決められたフォーマットがあります。
このフォーマットにしたがって、発明の内容を詳細に記載します。



出願から所定期間が経過すると、特許庁により出願内容が公開されます。
公開特許公報として提供されるため、特許庁のサイトにアクセスすることで他社の動向を確認できます。

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